前作「14歳の哲学」はタイトル通り、考えるとはどういうことか、ものごとに疑問を持つということはどういうことか、という内容だった。
「私はなぜ池田晶子さんに『14歳からの哲学』の執筆を依頼したか」にもあるが、
何かの知識に拠りかかって書く人はダメである。
素手で考えることのできる人でなくてはならない。
ということから人選されたとのこと。この人を表現するにはもってこいの言葉だと思う。
さて、「41歳からの哲学」だが、書店で見たとき真っ先に、なんだパクリ本かよ!と思った。だれだこんなことやる恥知らずは、と思って手に取ってみたら本人だった。すばらしい。なんだこの人、こういうギャグセンス持ってるんだ。それで買うことにした。
この人のギャグセンスは侮れない。ことあるごとに「15年後は文部大臣になっているので」とか、「年金要らないから安楽死病院を作れ」とか、少々ブラックではあるが、いろいろな社会通念を痛快に切り捨てる。面白い。
哲学書というよりはエッセイ集で、ときおり生きること、考えること、に関しての問いかけが入る、といったかんじで、読みやすい。専門用語も全くなく、平易な言葉だけを選んで書かれている。
過去の作品も読んでみようかと思った。