学生のときに読んで、その後の数回の本棚リストラを乗り越えてきている
「深夜特急」をひさびさに読み返してみたところ、やはり面白い。とくに1巻の面白さは異常で、寝る前にちょっとさわりだけ読むか、と思ったら一冊を読み終えていた。学生のときの感想は、異国に対するものめずらしさが主体であったように思うが、筆者の、人間やその社会の不完全さに対する興味と熱意に心を打たれる。
これはもうちょっとちゃんと沢木耕太郎を読む必要があると思って「一瞬の夏」を購入。いやあ、もっと早く読むんだった。あるボクサーの再起に関する話。ボクシングには興味のない私なのだけど、筆者の熱意につい引き込まれて感情移入する。かなり熱っぽい行動をしていながら、諦観に近いのだが本質的にそれとは異なる冷静な視点を伴っているのが興味深い。
ノンフィクション、ルポタージュの可能性を模索し、対象に深くのめりこみつつ第一人称で語る、という試みをした結果らしいが、その思いは文中の以下の言葉に現れている。
正確に見て正確に語るということは、誰にとっても恐ろしく難しいことなのだ。
まさにそうだ。ことあるたびにそのことを思い知り、私のような凡人はたびたびその事実に絶望しかけるのだが、筆者は人間の不完全さに興味と熱意を失わない。失ってしまったと文章に書かれているような状況ですら、実のところは失われていない。そのような態度を身につけられるよう精進したいものだ、と思う。まして執筆時の筆者は今の私より若いのだ。
旅モノの本は好きで、僕も昔雑多に読みました。深夜特急、懐かしい。大沢たかお&松嶋菜々子?のドラマもオール現地ロケ目当てで見ましたねぇ。<br>村上春樹の「遠い太鼓」読んでからミコノスに行く時、成田から機内で知り合った日本人が同じ本持参してたのには笑ってしまいました。。やっぱ考える事同じだぁ〜って(^^;;
ども、「遠い太鼓」「辺境・近境」あたりもいいですよね。私自信はそれほど旅行好きではないのですが。