ようやく見てきた。えーと、ネタバレは無いように抽象的に書いたつもりなので伏せず。
モーションアクターのアクションをキャプチャーして3Dアニメにした(カタカナ多用!)そうで、人物の動きはこれまでに見たことのないものであった。ただ、見たことのないものであるがゆえに妙な違和感があった。だいたいアニメ絵というのはもともと2Dに最適化された(?)ものなので、3Dに起こした絵(とくに顔とか)はどうもなあ、と思うのだった。戦車とかサイボーグとかのメカものは良い動きだったと思う。が、「イノセンス」を見た後では、ファイナルファンタジーの動画を見ているような、なんとももうひとつな感じでした。いや、十分すごいんだけどさ。「けどさ」、なのである。
それよりも。士郎正宗の話というのはあの必要以上に詳細で深遠な説明がよいのであって、さらにそれを押井守がイジると、とってもブンガク的にまとまるのがすばらしいのだけれども、今回のハナシはハリウッド的にわかりやす〜いハナシにデフォルメされてしまっていた。そこがいちばん残念だったかな。
オンガクは教授の曲がどこで鳴ったのか分からなかった。ほとんどがブンブンサテライツの手によるもので、これはすばらしい。残念ながらハナシとか映像がオンガクに追いついていない感じであったか。ミクスチャー=未来という図式もずいぶんこなれてきたもんだと思う。
うーん、と思いながら劇場を出ると、後ろを歩いていたカップルの女性のほうが「意外と良かった。何度か泣きそうになった」とか言っていた。なるほど。まあそういうねらいなのかもしれない。「イノセンス」ではフツーの女性からそういう感想は出まい。